行政書士 早川義裕 **************************
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当家には、それなりに立派な仏壇があります。
毎朝妻が、仏壇にご飯や水、お茶、お菓子などをお供えします。
仏様が「お腹がすいた」と言って食べるわけではありませんし、「のどが渇いた」と言って飲むわけでもでもありません。
しかし、なぜそのようなことをするのでしょうか。その意味とはなんなのでしょうか。
これはご本尊とご先祖への敬意と感謝を、目に見える形として生み出された表現方法なのです。
つまり、お供えする行為そのものよりも、仏壇に心を向けることの表現として行われているのです。
近年の核家族化に伴い、その仏壇のない家が増えています。
なぜ、家の中に仏壇が必要なのでしょうか。
家の中に祈りが必要だからです。
本来夫々の宗教を信仰する人の生き方は、一日一度は自分が信仰するお寺のご本尊の所に礼拝に行くのが、信仰を持つ人の本来の生き方だと思います。
しかし、
距離的に少し離れれば毎日ご本尊さんの所にお参りに行くのは容易ではありません。
そこで反対にお寺のご本尊さんを家にお招きした場所が仏壇なのです。
亡くなった先祖さんのお位牌をお奉りするのは、ご本尊さんをお迎えした仏壇の、ご本尊さんのひざ元に亡くなった方も祀らせていただくというの二番目の目的です。
以前は一軒の家に三世代四世代が生活しているのが一般的でした。
家族一同が仏壇に手をあわせることを通じて、ご先祖とのつながりが図られてきました。
しかし現在は、核家族の家が増え、特に新興住宅地やマンション等に行きますと仏壇の無い家が増えています。
そのために、「先祖として意識できるのは自分が直接知っている祖父母までという感覚になっています。
それ以前のご先祖は意識の中に入ってこないのです。」
今の時代は目で見える現象しか信じない時代になってしまっていますが、 毎日手を合わせていると目には見えなくても、仏壇の奥に自分に命を伝えてくれた人との繋がりや、自分を普段から守って下さっているであろうご本尊さんとの繋がりを心で感じれる様になるのではないでしょうか?
私たちの命をつないでくれた親祖先に、好感、安心、満足を与えることが大切であると教わっております。
そのためには、生きていようが亡くなっていようが、親、祖先とのつながりをしっかりと認識することです。
仏壇にお参りをする、お墓にお参りをするということは、先祖供養を通して本尊(本体・神・仏)につながることであり、自分自身はもちろん、子供や孫、子孫に精神的命をつないでいくことになるのではないでしょうか。
これこそが、祖先の恩に報いていくことになるのではないでしょうか。
(「 」 内は 公益財団法人モラロジー研究所 所報 2010.12月号 大野正英氏 引用)
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